2005年10月15日(土)15:07

ケースマン主教はトルコのEU加盟に反対

ハノーファー(ドイツ通信社)

ハノーファーのマルゴット・ケースマン主教は、トルコの欧州連合(EU)加盟に明確に反対する意向を表明した。「ブリュッセルのEU指導部は、EUの急激な拡大によっていかに人々のアイデンティティーが揺らいでいるか、分かっていない」と主教はドイツ通信社とのインタビューで語った。

私はどんな理由でほかならぬトルコが加盟候補国とされるのか分からない。「トルコの進歩は認めるが、問題はどこに欧州の境界線を引くかであり、その場合なぜシリアやイスラエル、レバノンやロシアも加盟候補国にならないのかということだ」、と320万人の信者を抱えるドイツ最大の福音派教会のケースマン主教は語った。EUは先日長い交渉の末、トルコとの加盟交渉を開始した。

さらにケースマン主教は、EUは絶えず拡大へと向かう前に、まず「内部の安定」をはからねばならない、と主張した。加えて今のEU内では社会保障の実情を合わせる必要がある。「ブリュッセルのEU指導部がフランスやオランダのメッセージを真剣に受けとめようとしないのも私には理解できない」、と主教は語った。フランス、オランダ両国は国民投票でEU憲法批准を否決している。「ドイツでも国民投票が実施されたならば、EU憲法批准賛成が過半数に届かなかったものと私は確信している。」

「経済や政治面だけでなく、文化的、社会的、宗教的な性質を持つ共同体への帰属意識が必要なのだ。そしてこの帰属意識には境界線が必要なのだ」。さらにトルコには女性の権利や人権、ならびに宗教の自由に関して問題がある。イスラムの国々がこうした民主的基本権を認める意思があるのかを、まずはっきりとさせる必要がある、とケースマン主教は主張した。

原題:Bischoefin Kaessmann gegen EU-Beitritt der Tuerkei




ホームへ戻る